活動日記
2月24日(火)貧幸(ひんこう)
先日テレビで、倉本聡氏が「貧幸(ひんこう)」という言葉を語っていました。日本は戦後の高度成長を経て、経済的には豊かな国になった。お金を出せば何でも買える世の中になった。では、昔は不幸だったかといえば、そんなことはない。「貧しさのなかに幸せがあった」と話されていました。当然ながら、富めることがかならずしも幸せでない。現在の日本は上辺の豊かさを求め、真の幸せが分かっていない。金銭や出世といった経済的な尺度に目が向かいやすい。昔は小さな部屋で、家族みんなで枕を並べた。家族の寝息をはっきりと覚えていたという。倉本氏が言うとおり、貧しくても幸せな暮らしは確かにある。「家電製品の量が増えるにしたがい、幸せの量が反比例して減った…」。鋭い指摘である。モノが豊かになるにつれ、心が貧しくなってきている。しかし、世間を眺めると、そうした現実を否定できない。私たちが生み出した「文明」とは何だったのかと・・・右肩下がりの時代へ転じ、所得の向上を望みにくくなった。私たちは価値観そのものを見直さなければならないのかもしれない。倉本氏は「幸せとは、どのような状況にあろうと、いまが満ち足りていると感じられること」。容易に到達できない悟りの境地である。と・・・。