はじめの一歩3月号(通算第168号)
『おねえちゃんといっしょ』
北田 久美
ある休日の朝、次女の泣き叫ぶ声が家中に響き渡った。
「スカ~トォォォ~~~~~!!!!!」
次女は、3才年上のお姉ちゃんに憧れを持ち、何でも同じ物が欲しいのだ。
それは、食べ物であったり、おもちゃ、洋服、そしてスカートまで…
3才になって間もない次女は、時々ねえねのワンピースやらスカートを引っぱり出して着てみたりしている。
この日は、いつも借りているスカートをねえねが履いていたものだから、もう大騒ぎ。鼻息を荒くして、ものすごい勢いで階段を上がり、似たような服を出して身につけ、対抗していた。本人は真剣だが、見ているこちらは おかしくてたまらない。
かつて私も、お姉ちゃんに憧れ、後をついて回ったり、同じ物を欲しがったりしていた。真似をすれば、お姉ちゃんのようになれる気がするのだ。
一方、長女の方はというと、「またか…」と少々飽きれ顔。それでも嫌な顔せず、妹に譲ったり貸してあげたりしてくれる姿が優しく、頼もしく思える。
この姉妹戦争は、まだまだしばらく続きそう。
うんざりしてしまう日もあるけれど、2人の可愛いやりとりをずっと見ていたいな、とも思う。