はじめの一歩6月号(通算第111号 )
『素敵なママ』
師岡扶美子
「この子をもう一度、赤ちゃんから育ててみたいわ」
高校生の息子さんを持つママが、こんな事を言っていた。「素敵なママだなぁ」と私は思った。
私には、1才の息子がいる。
息子のことはもちろん可愛い。
だけれど、赤ちゃんの大変な時期をもう一度・・・とは、まだ思えないバタバタの毎日。
どちらかというと、早く大きくならないかしら、そんな風に思ったり。
我が息子といえば、いたずらっこ、甘えん坊のまっ盛り!
トコトコ歩けるようになり、楽しそうにしていたかと思えば「あっこ~(抱っこ)!!」
キッチンのボールなど、何でもかんでも出すのが大好き。
静かにしていると思えば、必ずいたずらあそびをしている。
絵本も何冊も読んでほしくて、ひざの上にきては手を叩く(はじまりはじまり~の合図)
滑り台やブランコが大好きで「こっかい!(もう1回)」と、もちろん1回ではなくエンドレス。
トイレに行けば、嬉しそうに「ちっち~♪」と、見たがりついてくる。
家では私や夫の後をついて回り、保育園でも「あっこ~!」ばかり言ってないかしら・・・。
担任の先生に聞いてみた。
「よく遊んでますよ~!お喋りも沢山でてきて。オマルにも座りたがるのよ!」
ほっと一安心。
ほほう、保護者になってやっとわかったぞ、親の気持ちが!という具合である。
今まで頭ではわかっていた“集団と家庭での姿が違う”ってのは、これかぁ・・・と身をもって体験する。連絡帳を読む夫も「へ~!」と成長を驚いている。
家族のように、一緒に子育てをしてくださる先生方がいること、こんなに嬉しいことはない。
実際、我が子は、お友だちや先生が大好き!
息子のいる園で働いている私だが、泣いたり笑ったり・・・実に楽しそうで、ちらっと見ては、思わずニヤついてしまう程だ。
そんな息子を見ていると、思い出すあのママの一言。
私にもきっと、息子を赤ちゃんから育ててみたい、そんな風に思う日があっという間にくるのかも?!しれない。