はじめの一歩2月号(通算第155号 )
『本物のサンタ』
加藤 晶
昨年12月、クリスマス前のこと・・・
2月で8歳となる娘との、サンタクロースからもらうプレゼントの話の中で「学童で読んだマンガがいいな~。でもスクイーズも欲しいんだよなあ」とサンタからのプレゼントを楽しみに、ワクワクしたり、どれにしようか決めかねている姿があった。
あれこれと考える姿も可愛いが、親としては“これだ!!”という決定打が早く欲しいところ。ついつい、早く決めないとサンタさん困るんじゃない?と急がせてしまったりもして・・・
すると娘は「大丈夫だよ!!サンタさんは絶対、欲しいものくれるよ。だってサンタだもん」こんな言葉からも娘にとってサンタクロースは偉大だなと感じた。そんな時・・・
娘「いっちゃんは、本物のサンタ見たことあるよ!」
私「そっ、そうなんだ。」
いつの、どこで会ったサンタのことかと私の頭の中は様々なサンタが浮かんでくる。
娘「ママも一緒に見たでしょ?」
えーっ、益々どのサンタのことを言っているのか、私の頭の中は錯綜する。
私「どこで見たんだっけ?」
娘「ちーちゃん家に来たじゃん。ママも見たじゃん」
えっっあのサンタ~~~
ちーちゃん家とは兄の友人宅のこと・・・
数年前に友人たち20人程でクリスマス会をやった時のこと。
兄の友人1人が仕事のため遅れて参加、なんとサンタに扮装して登場。
子どもたち1人1人の名前を言いながら「メリークリスマス」とお菓子の詰め合わせを渡してくれた・・・本物のサンタとは、まさにその時のサンタのことだった。
そのサンタはプレゼントを渡した後に、すぐに帽子を取り、飲み食いに参加、正体を明かしたはずだったが・・・。
娘の心の・・・記憶の中には本物のサンタとして残っていたんだということを知って“可愛い過ぎる”と思うのと同時に、偉大なサンタがこんなに身近な人!!と、あのサンタの姿を思い出すだけで、娘の前では吹き出しそうな笑いをこらえるのに必死だった。
子どもが思い描くサンタクロースは
どんな高価な大きなプレゼントをくれるより、どれだけ心に残ることをしてくれる存在か、ということが大事なんだなと実感。
そして、娘の心に素敵なサンタの思い出を残してくれた兄の友人に感謝するとともに、参加していた友人たちに娘とのエピソードを報告しつつ、今後も夢をこわさぬようにと、お願いをした。