はじめの一歩10月号(通算第175号)
『タイムマシーン』
奥平 久子
私には、奥多摩に来る前、両親と妹と暮らした3軒の家がありました。
「国分寺の家」「立川の家」「小平の家」・・・それぞれの家に思い出がありますが、その中でも「立川の家」が、とても大好きでした。
小・中・高~19才まで暮らした立川。小さい庭には、記念樹として植えてくれた私のアンズの木、妹のウメの木、そして白いツバキ、キンモクセイ、ゲッケイジュ、etc.草花もあり、1年を通して花が咲いていました。
私たち姉妹が入浴に使っていたタライを再利用した父の手作りの池には、金魚、フナ、ドジョウ、タニシ、カメ、いつの間にか住みついたウシガエル。
近所にあった秘密基地のような雑木林に、カブトムシ、クワガタを採りに行ったり、キイチゴやクワの実を食べたり。ペットとして飼ったセキセイインコ、ハムスターetc.小鳥と小動物の世話をして、命の大切さを知る事ができました。(私の不注意で死なせてしまった命もありました。ごめんなさい。)
最近、「立川の家に行ってみたいね。」と妹とも話すのです。思い出の家は建て替えられて、新しい家になり、庭の様子も変わっていることでしょう。
もし、タイムマシーンがあったなら、お金持ちではなかったけれど、両親と妹と心豊かに、楽しく暮らした「立川の家」に行ってみたいのです。