はじめの一歩8月号(通算第125号 )
『朝のギューッ』
岡部弘美
今年、10年ぶりに年長児の担任をしている。
受け持ちの子どもたちとの 朝の儀式の抱擁、通称『朝のギューッ』。
登園して来た子と「おはようございます」の挨拶はするけど年長ともなると、いつの間にか仕度を済ませて外に遊びに行ってしまっていることがほとんどだ。
昨日お休みしていた子、昨日おこられちゃった子、私も昨日おこっちゃった子は気になる。
「今日は元気に過ごせるかな?」「今日も元気に遊んでおいで」「昨日はおこってごめんね」の思いを込めて、仕度が終わって遊びに移る前にギューッとする。
さすがに年長児だから、はじめはちょっと照れて恥ずかしそうにしていたけど、今では「先生、終わったよ~!ギューして~!」とやって来るようになった。
すごく力強く抱きついて来る日もあれば、さっと済ませて行ってしまうこともある。毎日の子どもたちの様子をこんな形で感じている。
毎朝、子どもたちとギューッをしていて思ったこと。
自分の子どもたちにも、したことあっただろうか。
3人の息子たち、3才違い。
あの頃はとても忙しくて時間がなくて、たった5秒のギューッもしてあげていなかったな。今では子どもたちも大きくなり、もちろんギューッなんてしたくてもできない。(お願いしてもダメでしょう)
あの頃に戻れたら、ギューッてしたいと思う。
いっぱい いっぱい したいと思う。
だからこれからも『朝のギューッ』は続きます。