はじめの一歩7月号(通算第112号 )
『子ばなれ親ばなれ』
――親ばなれはあっという間 子ばなれはがまん!!――
清水さゆり
娘は20歳、息子は17歳と手がかからない年になって来たが、これで子育てが終りとはいかず、大きくなるにつれ、バイクや車の免許を持つと帰って来るまで心配をし、ケイタイには「今ドコ!」と送っては、メールが帰って来ないと又心配と、親ってこんなに大変なの?って。いつまで心配が続くの?って。
息子が修学旅行へ行く日が近づいたある日「私服なに持っていくの?」「別になんでもいい!」とそっけない返事。「じゃあ一緒に買いに行こうか!」とショッピングセンターへ行ったものの、「これいいじゃん!」「これとこれでコーディネートしてさー!」と私はウキウキしながら息子に進めたが、なんと息子は「どれがどういいのか選べない!」と一言。「なんでー!?」と尋ねると「だって、いつも母さんが買って来た物を着てるから自分で選んだことないし!!」「エッ!!うそ!!」私は胸を矢で刺されたような衝撃を受けたのです。
私がこの子のためにと思って買ってあたえていたことが、なんとこの子の選ぶといった楽しさショッピングの楽しさを奪ってしまったのか!!
いってみれば、この子の自主性・自己主張・行動力・主体性をも、奪って成長を妨げているのはわたし(・・・)!!だったのか・・・
帰って来て娘に話すと「そーだよ。できない子にしているのは母さんだよ!まさか修学旅行の仕度もやってあげるつもりじゃあないでしょうね!」
「ドキ!!」痛い所を突かれてしまった。息子も姉に言われて、しぶしぶ自分で荷造りをした。私は手を出せず口もださず、がまんで無関心を装いましたが、息子が寝静まった夜中、静かにトランクの中身をゴソゴソ!!「パンツ1,2,3,4,5枚OK!!」と小声で言ってしまった。