はじめの一歩2月号(通算第131号 )
『大事な栄養』
須崎満喜子
給食の献立表を見ると、材料や栄養素はおおまかに三つに分かれている。
主菜の肉、魚、卵、乳などは主に血や肉、骨をつくるもの。副菜の野菜、果物などは主に体の調子を整えるもの。主食のごはん、パン、麺などは主に熱や力をつくるものとある。
夫にお弁当を作り続けて二十数年が経つ。今日は何を入れようか日々考えながらも、結局は本人の好きなもの中心になり、もう長いことマンネリ化している。私がこだわるところは赤、緑、黄の彩り優先。茶色ばかりは何がなんでも避けたいと思っている。
ある日、帰宅した夫が職場で「今日〇〇が俺の弁当を見て『これじゃあパワーがつきませんよ!やっぱり肉食わないとダメですよ!』って言われちゃったよ。」と。若い〇〇君からしてみれば、確かに魚や野菜中心のあっさりしたおかずでは到底物足りないだろう。TVでもSNSでも肉、肉、肉の世の中だ。しかし、牛、豚などのがっつりした肉は苦手だから仕方がない。
一方、私のほうは、園で給食を園児たちと食べることもあり、苦手なものはわからないように残しつつも少しは口にしている。給食は栄養バランスもしっかり整っているので、一日の中で自分は一応栄養が摂れていると思っている。その時ふと思った。夫は外食をする時以外は、基本の食事は私が選んだ食材で作ったものや、買ってきたものを口にしている。よくよく考えてみたら果たして栄養面はどうなんだろうと。日々時間に追われる中で、わざわざ苦手なものを工夫して食べさせようなんて努力をしようと考えたこともない。
人生の折り返し地点を通過した私たちにとって、今後は低栄養がいろいろな問題の引き金になると聞いて、このままではまずいかもと心配になってきた。まわりをよく見ると、何でもしっかり食べる人は、大人も子どもも本当に元気だとつくづく感じる。これからは好きなものを優先するのではなく、栄養を意識して食事を作っていこう。それにしても、給食は本当にありがたい。