はじめの一歩9月号(通算第150号 )
『お姉ちゃんの気持ち』
来住野 聡美
私には4歳になる姪っ子がいます。姪っ子とは同じ都内には住んでいてもそう頻繁には会えないのが残念なのですが、年に数回実家に遊びに来てくれる度に、体が大きくなり、また話す言葉も大人っぽくなったりと何かしらの嬉しい変化が感じられるので、いつも会うのを楽しみにしているのです。
そんな姪っ子でも一番は母親(姉)で、姉が少しでも見えない所に行ってしまうと慌てて母親を探し回っていたのに、先日遊びに来た際には少し様子が違い、何でも私の真似事をし始めました。お風呂やトイレに行こうとすれば「わたしも」と言ってついて来たり、リップクリームをぬれば「それお化粧?わたしもやる!」、歯磨きを一緒にすれば磨く順番も私と同じように手を動かすのです。
その光景に、かつて何でも姉の真似をしたがっていた自分と重なるのを感じました。欲しいものを買ってあげると買い物に連れて行ってもらえば姉と一緒のものを選んだり、姉が習い事を始めたら自分もやりたくなったり。とにかく姉が経験していることを自分も経験したい衝動にかられると言いますか。
実は私が栄養士という道を志したのも、姉が栄養士であったことが大きく影響していると思います。
私は二人姉妹の妹なので姉の立場はわかりませんでしたが、姪っ子が産まれて初めて、少しはわかったような気がしています。嬉しいような恥ずかしいような。よく「お姉ちゃんは下の子のお手本なのだから」という言葉を耳にしていましたが、こういうことなのかと今さら納得しているこの頃です。