はじめの一歩9月号(通算第126号 )
『永遠の人気者』
師岡扶美子
子どもたちの人気者、それは今も昔も変わらず、 あ れ なのかもしれない。
私には3才の息子がいる。
食器を台所に下げたり、手洗いや着替え、トイレも、いつの間にか上手になった。走ることも大好きで、抱っこおんぶも、乳児の時に比べかなり減った。
できることが多くなった反面、イヤイヤ期もしっかり訪れた。父さん母さんを困らせては、ワーワー大声で、これでもか!というくらい泣く。すっきりすると、「食べさせて~」「抱っこ~」「おっぱいのむ~(のむふり)」と、甘えたくて仕方ない様子。赤ちゃんのように甘えさせてあげると、急に「お兄ちゃんだから!」と。充電できたのか、一人で生きていけるかのような顔つきで、腕の中から飛び出していく。
何にでも疑問を持ちはじめ、なんで?どうして?も始まった。
「おかーさん、チンチンないのぉ?なんで~?〇〇(自分の名前)が、チンチン買ってきてあげるね!」なんて、面白い発言が増え、たくさん笑わせてくれる。都合の悪いことを言われると、「おかーさん、お山に行って!」と怒ったりもする。
さて、最近の困り事のひとつが、いつでもどこでも「うんち!」と連発することだ。はじめは、そのうち飽きるだろうと思っていたが、エスカレートする一方。
息子「ごちそうさま、うんちっ!」
父母「ごはんの時は言わないよ!」のやりとりをしても、なかなか止めず、父母の反応を楽しんでいる。
でも、ある日、
息子「ごちそうさま、うっ・・・」
父母「言った?!言ったねー♪」
息子「いってないよ~!」と、自制しようとすることも時々でてきた。
家ではいいのだが、外での発言だ。
公のシーンと静まり返った会場でも「うーーんーーっ」のところで私がとっさに息子の口に手をやる。やれやれ・・・セーフ、といったことが何度も。
ご近所の優しいおばさんに、「あら~お利口さん。挨拶が上手ねぇ」と誉められた瞬間、「こんにちは~♪うん~っ」・・・。また私の手が動く、やれやれ。
子どもは大人の反応で遊ぶのが大好きだ。
ダメ、と言われれば言われる程、言いたくなる。私も余裕がある時は、あえて
「言ってよ~ねぇ~♪」
息子「言わないよ~だっ♪」と、やり取りを楽しみ、そう言えば息子も言わないのも知っている。
でもまあ、外では困らせてくれることが多い。
ある時、3人の子を持つパパさんに、「息子がうんちうんちで~…」と話したところ、「え?もうすぐ中学生のうちの息子も、まだ言ってるよ~」とニコニコ。ちまたで流行っている、うんちをテーマにした学習ドリルで、勉強も楽しんでいるらしい。
学習ドリルにも認められている、うんち君…!!
あなたは、こどもを夢中にさせる天才なのですね…!すごいです!
我が子のブームは、いつまで続くのか。楽しみに・・・してみようと思う。