はじめの一歩9月号(通算第102号 )
『かくれんぼ~「みーつけた」って言える日は~』
内藤博美
ある日の事、AちゃんとBちゃんの2人が机の下にいるのに気づいて
「あれっ、AちゃんとBちゃんがいないなあ」と言ってみた。
「ここだよ」と言いながら出てくるAちゃん
Bちゃんは動かずじっとしている。
「Bちゃんは?」とAちゃんに聞くと「ハッ」とするAちゃんだが、ここにいるよ…と教えてくれる。
「ねえ、Aもさがして…」と再びかくれようとします。
2才児クラスで日々子どもたちと過ごす中、絶対に在るべき担任の姿であるが、ふと棚のかげにかくれてみた。
「あれっ せんせいは?」
「どこいったあ…」と子どもたちの声
心の中で、クスッと笑っている私
「え~」と友だちの反応に興味を示すCちゃんにDちゃん。
足音がバタバタバタと近づいてきた。
「いたあー」と、そこには子どもたちの楽しそうな笑顔がありました。
最近 子どもたちは、かくれるのに絶好の場所を見つけました。
みんなでかくれるのには狭く、身を寄せ合わなければ入ることができない。
始めのうちは「狭い」「どいてよ~」などのやりとりが聞こえましたが、最近は仲良く譲り合う姿が見られるようになってきました。
あと少しかな…
子どもたちが声をひそめ、かくれ合い、「みーつけた」とかくれんぼの鬼ができる私。
子どもたちは“待つこと”“友だちを思いやる心”を身につけている日々である。