はじめの一歩3月号(通算第120号 )
『厄払い』
原島芳美
母が厄年の出産だったので、生まれた私を、一度「捨て子」として捨てて(置いて)、近所のはあちゃんに拾ってもらい(両親の元に返す)、厄払いをしたそうです。生まれた子が、母親の厄落としになると言われていました。
いつの世も、子どもの成長や、家内安全を願う行事は、受けつながれているのでしょうね。
はあちゃんは、戦争未亡人で、弟のたけちゃんおじさんと暮らしていました。当時まだ、珍しい、鍋を使ったパンケーキや、バターたっぷりのオムレツ、アイスクリームも手作りしていて、よく、ご馳走になりました。たけちゃんおじさんのリヤカーの荷台に乗って、畑仕事にも連れていってもらいました。
私が予定日より一か月早く、未熟児で生まれたので、お産婆さんが「この子は育つかね」といったそうです。
何もない時代。みんなが貧しかった時代。
たくさんの人にお世話になりました。
そんな私も、おかげさまで、今年還暦を迎えます。
みなさんに感謝いたします。
母も92歳になります。