はじめの一歩11月号(通算第152号 )
『おしっこちょっぴりもれたろう』
師岡扶美子
ヨシタケシンスケさんの絵本「おしっこちょっぴりもれたろう」。息子が大好きな絵本です。とても人気なのでご存知な方も多いと思います。
おしっこがパンツにちょっぴり(このちょっぴり、という所が可愛いですよね)もれてしまう男の子、仲間探しの旅に出るのですが、最後はお家のおじいちゃんに「ちょっぴりだからいいじゃない、しばらくすれば乾くのだから」と言われ、実はおじいちゃんも、もれたろうだったという、ほっこり笑えるお話。
この絵本に出会ってからは、5才の息子も「もれたろうしちゃった~!パンツ替えてくる~」と、なんだか楽しそう。
他にも、ヨシタケさんの発想絵本はユーモアがあり、大人向けの本も多いです。中でも、子育てにまつわる「ヨチヨチ父」は“子育てあるある”が沢山詰まっています。そこで、私も我が家の“あるある”を振り返ってみることにしました。
その① トイレ問題 我が家には5才の息子Sと、1才4ヶ月になる娘Nがいます。私がトイレに入るやいなや、ドアをドンドン叩いて泣いてアピールのN。ゆっくり用を足すには、抱っこしながら。相手が赤ちゃんだから、許されますね(笑)
その② やる気スイッチ 「もう行くよ~?」と出掛け際になった時、急にきちんと片付け始めるS。「ありがとうねS、でももう間に合わないからさ?」と言っても、服や玩具、2Fにまで走り、Nと父さんの服までたたんできた息子!子どものスイッチのタイミングは・・・“え?!いま?”ということが多いです。
その③ 嗅覚のするどさ 私の得意技は、食器を洗いながら、合間にこっそり甘い物を口に入れて、ニンマリすること。なぜか良いタイミングで、Sは「ねぇ~お母さ~ん!」と近寄ってくるのです。口をモゴモゴ、ごっくん!甘い物は台所上にさっとかくします。抱きついて顔を寄せてくるS。「・・・。お母さん。チョコの匂いがする!!」「え・・・?そ、そうかなぁ?」目が泳ぐ私。「絶対食べたね!!この間だって、チョコのアイスかくれて食べてさ、Sが見つけたから、一口くれたじゃ~ん♪」私の行動は、バレバレのようです。そして夜は「お母さんの枕がいい~」「なんで?」「お母さんの匂いするからぁ」この一言は、嬉しいものです。時々、「お父さんとねたかったなー」と言われ、フラれた気分にもなる母です。そして子どもたちの匂いをクンクン・・・。たまらない幸せタイム。
その④ 絶対的な笑い ウンチ・オナラ・チンチン、このワードは欠かせない笑いのスパイス。「うっふ~♪」と、「見て見て!チンチンはどこでしょうか!!」と、両足でチンチンをはさんで隠して得意気な息子に、「まったくも~!」と言いながら、大笑いの私。男の子って本当に面白い!くだらない事で、笑わせてくれる天才です。
その⑤ 兄妹 “子ども同士”ってすごいですね。Nが一番楽しそうで、よく笑うのは、お兄ちゃんが遊んでくれる時。何でもかんでも「まんまっ!」とアピール上手なN。兄のさつまいもをちゃっかりせがみ、「どーぞ!」と半分もらいます。最近は兄の工作に手を出すので、逃げ回りながら作っています。
「Nちゃん、うんちだよ」と、一番に気づく兄ちゃんです。「くっさー!!」と言いながら、なぜか嬉しそう。
このように、日常の出来事は豊富。その100、1000と出てきそうです。“子育って本当に楽しくて幸せいっぱい!”と言いたいところですが・・・それだけではないですよね。
実は産後、体調を崩しがちになった私。子育ては、想像以上にハードなものでした。“我が子が元気に生まれてくれれば”“それだけを思っていました。運動、海外旅行が大好きだった私。まさか自分が体調不良になるとは予想外。
そんな時、そして今も助けられているのは家族・保育園の先生方。“できる時にできる事を”励みになる言葉をいただきました。「お母さん、お熱~?」と、保冷剤をタオルにくるみ、麦茶を持ってきてくれた息子にホロリ。成長にびっくりです。
ヨシタケさんも子育て中は、あまりにも日常が大変で、子育てについて書く気力がなかったそうです。“ヨチヨチ父”を読んで、わかるなぁ!と笑っていた私も、そのエピソードにホッとしました。ネガティブ思考のヨシタケさんだそうですが、そこを逆手にとったユーモアが最高です。
山あり 谷ありの日常を、こんな本のように切りとって、笑えたらなぁと思います!