はじめの一歩1月号(通算第154号 )
『奥多摩に来て』
飯島有美
奥多摩に住み始め、一年が経とうとしている。
数年前までは恥ずかしいことに奥多摩といったら小河内ダムがある、紅葉が綺麗、山がある・・・くらいしか知らなかった。そして足を運んだこともなかった。
それが縁あって奥多摩に通うようになり、空気が美味しいこと、出会う人たちが温かく接してくれること、立派な神社やお祭り、地域ごとに獅子の伝統芸能があること、星空が綺麗なことなど、様々な魅力を知ることができた。そして昨年、奥多摩での生活が始まった。
初めは何もかもが初めてで、一日があっという間に過ぎたのを覚えている。
慣れない家事や買い物。家事は時間がかかり、買い物や出掛ける際には道も覚えられず、調べて行くことが当たり前だった。
でも、そんな日々も過ごしていくうちに少しずつ慣れて、この生活が心地良く思えた頃、古里保育園への転職が決まった。
新たな土地での仕事、久しぶりの担任、家事と仕事の両立。いろいろなことを考えて緊張と不安が高まっていた。でもそんな気持ちもすぐに吹き飛んだ。
周りの方々が温かく接してくださり、分からないことは丁寧に教えてくださり、そして子どもたちの可愛さ、人懐っこさ、自然での関わりの中で気付けば楽しい日々へと変わっていった。今では毎日笑顔で過ごせることに幸せを感じている。
昨年を思い返すと、新居での生活が始まり、新しい職場と出会い、年号が変わり・・・と自分にとって環境の変化が大きく、転機の年だったように感じる。
新年を迎えた今、また新たな気持ちでここ奥多摩での生活を大切にし、周囲の方々への感謝を忘れず、日々を楽しみながら過ごしていきたい。