はじめの一歩2月号(通算第178号)
『経験がまっています』
石田 良安
私は1年ほど前に狭心症で入院、手術となったのですが、無事に退院できて帰ったとき、
さて、生き延びた人生で何をしようかな?と考えました。
そのとき、こんな言葉を思い出しました。
どこかの学校の新入生に向けたスピーチの一節です。
『人類が誕生して100万年。どんなに多くの人が生まれたでしょう。
その中にあなたはいません。
現在、数十億の人が生きているが、あなたは1人しかいない。
これから先、長い未来にどんなに多くの人が生まれるのかわからないが
あなたが生まれることはない。
過去にも未来にも、たったひとつのかけがえのない命。ふたたびは無い人生。
これから先は、あなたしかできない経験がまっているのです。』
これは、お釈迦様の言った「天上天下唯我独尊」という言葉の内容と似ていまして、こちらの意味は「この広大な宇宙の中で、たった一度の『私』という形でしか味わうことのできない、経験の尊さ」を言っているのです。
私は退院後にようやくこの言葉がしみじみと理解できたように思いました。
皆様にもどうかこの先、自分でしか経験出来ない人生を味わいながら、生活をしていっていただきたいと心から思います。