はじめの一歩3月号(通算第179号)
『子どもの姿を見て思う』
小峰 美穂子
ひよこ組1才児クラスの室内あそび中、おもちゃのベビーカーの取り合いが始まった。
AちゃんとBくん、2人ともなかなか引かず大人の顔を見て取り合っていた。私はあえて声をかけずに見守った。「何か先生言ってよ」というようなAちゃん。「オレは離さないよ」という表情を浮かべるBくん。
その様子を見ていたCちゃんが私のそばに寄って来て「センセ!〇〇〇ちゃんが!」と言ってきた。「どうしたらいいかな?」となげかけた。
Cちゃんはベビーカーに代わる物を見つけてAちゃんに「どうぞ」と差し出した。
結果2人とも違うことに気を取られ、あっさり取り合いはやめた。
Cちゃんはこの世に生まれ2年しか経っていないのに、どうにか2人を仲良くさせたいと行動した。その気持ちに心を打たれた。
この事を通し世の中いろいろな事件や国の問題があるが、私は止めようとする勇気があるだろうか?と自問自答した。1人では何もできない。しかし、みんなで平和を祈り、皆が幸せになれるよう行動できる人でありたい。
人間は弱い生き物で、間違いや失敗もあるが、人を思いやれる大人でいたいと子どもの姿を見てつくづく感じた。