はじめの一歩6月号(通算第182号)
『両親がいる幸せ』
須崎 洋子
私には今月95才になる父と89才の母がいます。自分の両親が90才を越えることが信じられず不思議な感覚です。両親は60代、70代はそれぞれの趣味(油絵、陶芸)を楽しみ、同時に夫婦で旅行にも何回も行き楽しんでいました。現在は父が体調を崩し入院している為、1人暮らしの母のもとに月2回程あそびに行きます。母は白髪になり背中も丸くなってきましたが元気な姿を見ると嬉しくいつまでも娘でいられる幸せを感じています。
先日実家に帰り、母との会話でご近所の95才になるおばさんの話になりました。おばさんは本屋に行く為バスに乗り、駅前まで行ったそうです。が、本屋は閉店。それでも本を買いたい気持ちで電車に乗り立川(2駅先)まで向かったそうです。立川駅周辺は様変わりし、どこに本屋があるのかわからず数時間が経過。結局、本は買えず帰り方もわからなくなっているところを駅員さんに声をかけられどうにか帰宅できました。
家族はなかなか帰らないおばさんのことを心配し、母の所にも訪ねてきたそうです。母も大変心配し帰りを待っていました。帰宅したとの知らせに、会いに行ったそうですが、足をすりむいたようで手当てをし母も帰宅。話を聞き終わった私は無事に帰宅できたことに安堵しました。95才になっても1人で買い物に“行く”“行きたい”気持ちがあり、行動に移せるおばさんが素敵。私も元気でこうありたいと思いました。
100才時代の世の中です。私の人生もまだまだこれからです。両親を見習い元気で前向きに、夫婦仲良くお互いを尊重しながら楽しんでいきたいと思います。