はじめの一歩8月号(通算第183号)
『本当にあった不思議な話』
原田 真衣
数ヶ月前の話になるが、私は不思議な体験をした。
それは夢と現実の話になる。
深夜のことであった。近くの家が勢いよく燃えているのである。
火事だ。
私は急いで家族を起こし、大切なものをまとめ、一緒に遠くまで逃げた。
ここならもう大丈夫だろう。安心しきった所で目が覚めた。
夢か…
数日後、また同じ夢を見た。それも全く同じ夢を。
ここまで鮮明に近々で同じ夢を見たことは初めてだった。
" 火事の夢 意味 "
なんて検索してみたものだ…
ここからは現実の話になる。
深夜2時頃、けたたましいサイレンの音で目が覚めた。
何かがおかしい。私は違和感を覚えた。恐る恐る窓を開けてみる。
外は異臭と煙の海になっていた。目の前の建物の一室が燃えている。
すかさず寝ている家族を起こし、火事である事を伝え、大切なものをまとめて逃げる準備をした。
暫く経つと「これ以上火事が広がる恐れはありません」とのこと。
そのアナウンスに安堵し再び眠りについた。
ある日、この予知夢のような話を知人にしてみた。
それを聞き、彼女は私にこう言った、
「守護霊からのお告げではないか」と…
私には思い当たる人物がいた。それは数年前に亡くなった祖父のことだ。
祖父は私がこの世に生を受けた時からたくさんの愛情を注いでくれた。
そんな祖父が私も大好きだった。火事があった日の事を思い返してみる。
その日は凄く冷静に物事を考え行動できたのだった。
あの夢の時のように。
もしかしたら本当に祖父からのお告げだったのかもしれない。
途端に祖父への感謝と私の側にいてくれているという嬉しさや幸せでいっぱいになった。
おじいちゃんありがとう。
勝手ながらこの不思議な体験を「おじいちゃんからのお告げ」と名付けることにした。
火事が起きた日以降、あの夢は一度も見ていない。