はじめの一歩第192号)
『奥多摩で暮らす』
石井 薫
私達が奥多摩に来て丸7年過ぎた。昨年は、梅澤に家を買って引っ越しをした。我が家の賑やか兄妹は、広くなった家や庭や周りの自然の中で、更にギャーギャーバタバタと開放的になった。
家から小学校、保育園に通うには、電車を使う。小丹波に居た頃は、玄関出ればすぐ誰かと会えて、お友達と一緒に歩き、あっという間に保育園に着いていた。梅澤の家から通うには、とにかく歩く。娘と手を繋いてお喋り。歌は大声で。影踏みして走りまわり、ジャンケンしてグーリーコ!!私の体力が続く限り、電車が来るまで続く。
奥多摩の季節の移ろいを、空、雲、花で感じた1年。花や木々の色が変わるのを、2人で見つけるのも楽しかった。川井駅入口への渓流沿いの坂道は、天然クーラーの冷気が来る。夏はそこで一息つけた。冬は歩道が半分凍っていてツルっと滑りヒヤヒヤ。だんだん歩き方が慣れてきた。まっさらな雪道をひとり占め。雪だるまを作っては並べた。
厳しかった寒さから春になり、花が咲き始めたころ、娘は小学一年生になった。もう、待ち合わせ場所からは手を振るだけ。登校班のお姉さん達と地域の見守りの方々と、お喋りしながら後ろも振り返らず行ってしまう。少し寂しい?いや、嬉しい成長だ。
手をつないで歩くのは、今のうち。一緒に並んで歩いてくれるのも、今のうち。その時、その年頃にしかない日常。中学生になった長男は、思春期に入り、一緒に出かける事も少なくなってきた。
小学一年生と歩く、学童保育からの帰り道。。お喋りしながらの帰り道を、もう少し、楽しもうかな。