はじめの一歩第197号
『おひとりさま』
須崎満喜子
「ひとり旅」というのは宿にとって敬遠されがちだった時代も今は昔、我が家のキャンプ場もコロナ禍に入ってから急増した。最近よく耳にする”ソロキャン(一人キャンプ)”だ。小さなテントを張って焚火をしながら、飲んだり食べたり本を読んだりと悠々自適にのんびりと過ごしている。近頃は女性ひとりのキャンパーも珍しくなくなってきた。誰にも気を遣わず自分のための自分だけの時間。病みつきになると何度もやってくるリピーターも増えてきた。
私も50代前半に思い切ってひとり旅を決行した。それまでは外出先でひとりでお茶を飲んだり食事をすることになかなか踏み切れずにいた。せっかく取れた休みなのに介護やお客様の予約があったりと夫婦で出かける時間の調整がつかず、ならば一人で行っちゃえ!と勢いで1週間前に決めた。何かあったらすぐに帰ることができる、乗り換え2回で行ける、車内でゆっくり寝られる(睡眠不足の解消もしたい)、以前から行きたかった場所。そんな条件が揃った行き先は九州・門司港。1泊2日新幹線でのひとり旅。片道約5時間の道のりも冷房がよく効いていて快適そのもの。博物館では受付の女性が同世代とわかり世間話に会話も弾んだ。ドキドキしながらのホテルでの初ひとりディナー、スタッフの方にとても親切にされゆっくりとおいしく味わうことができた。行く先々で現地の方たちとのふれあいや会話が心地よく、ひとり旅もこんなに楽しいものなんだと実感。思ってた以上にリフレッシュできたことが大きな収穫だった。
家族や仲間と過ごすのもいい、でもひとりで楽しめることもたくさんある。たまには少しでも自分のための時間を持つことが明日への活力となってくれる。