活動日記
2月15日(金)母なる川
この数年、東京湾から多摩川水系に遡上するアユの量が増加の一途をたどっています。しかし、幾多の堰、魚道を潜り抜け奥多摩の上流まで辿り着くアユはごく少数と思われます。この貴重な財産を東京の観光資源として活かすことが大きな課題としてクローズアップされています。一方で、近年の地球温暖化現象のひとつであろう天候不順により、治山治水、水の管理も大変大きな問題です。冬の降水量不足で、現在、奥多摩湖は減水状況が続いています。生態系の維持と私たち生活の根幹となる飲料水の維持、この両輪を保つことを確認するために、今日は多摩川の羽村取水所を見学させていただきました。
堰の構造は、洪水が起こった時には、鉄ゲタを外し、自然材でつくられた堰を取り払うことで、洪水による水門の崩壊を防ぎ、洪水を安全に流す構造となっています。堰の形は変わったものの羽村取水堰ができた当時のまま残っているすぐれものでした。現在も常時毎秒2トンを下流域に、それ以外を東村山、小作浄水場、村山山口貯水池、玉川上水へ送っています。いずれにせよ、自然現象と相談しながらの水の管理の難しさを痛感します。
川を考える時に、やはり治山の必要性を改めて感じます。近年のシカの食害などでの土砂の流入、適正な植林による保水力など、現在置かれている川の問題はこのあたりでしょう。今日は川のことを考えるための見学でしたが、やはり山の重要性を再認識いたしました。