活動日記
5月17日(金) 「健全な山づくり」について考える会
福井県在住で林業指導を実践、自らの間伐方法を提唱し、新技術で林業現場改善の実践と普及に努めている「森と木の研究所」鋸谷 茂氏を迎え、「健全な山づくり」について考える会を「奥多摩の未来を創る会」の主催で開催しました。人工林の手入れを怠れば、風雪や山崩れなどで被害が甚大となる。ならば後世に引き継がれる健全な人工林を育てようとの試みです。
一部は鋸谷 茂氏の講演会、二部は鋸谷氏を囲みフリートーキングを行いました。鋸谷先生の理論は、立木の密度(一定の高さとその木の直径により残す木を算定する)、枝打ちの高さ、間伐材に切りっぱなしなど独特のもので、かつ林内には下層植生を育てるという方式です。また、山づくりの大切な要素である道づくりに対しても自然との共生を保ちながら進められています。山が崩壊するのはシカのせいではない、私たち人間の誤った山づくり、道づくりが原因とも唱えています。
二部の懇談会では山主さんからの忌憚のない意見が飛び交い、これからの山づくりの方向が少しでも見えてきたならば、この会の当初の目的は達成されたのではないかと思います。この日は町長をはじめ、町の幹部の方も傍聴に見え、この問題の関心の高さが伺えました。
翌日は、残念ながら私は参加できませんでしたが、地元の山林に入り、先生自ら実践講座を開いていただきました。参加者の感想を聞きましたが、さらに納得させられる内容だったそうです。急峻な奥多摩の、そして林業後継者が少ない現状の奥多摩で「鋸谷式間伐」と「林道作りが」定着するか見守ってまいりたいと思います。また、次の研修会についても企画、実践をしてまいります。